web master’s voice in Japanese (19) 2018・7・13

女子大学とトランスジェンダー

平成30年7月13日

 

お茶の水女子大学がトランスジェンダーの受け入れを決定したと7月10日に発表しました。トランスジェンダーとは、自分の性別が戸籍上の性別と異なると感じている人を指す言葉だそうです。同女子大学では2020年度から戸籍上は男子でも、自らを女子と認識している人の入学申請を受け付けるとのことです。欧米ではこうした方針をとっている学校が多く、日本は遅れているそうで、「多様性を包摂する社会の対応として当然」なのだそうです。

お茶の水女子大学と云えば、百三十余年にわたる女子高等教育のパイオニアであり、女子大学の代表的な存在です。その使命は時代と共に変遷し、現在の同大学の案内によれば、女性リーダーを育成し、・・・・・男女共同参画社会を実現し、豊かで自由かつ公正な社会の実現に寄与することを使命としています。しかし、優秀な女子生徒は共学に進んでしまい、女子大の存在意義が問われる中での上記の決定です。

 

トランスジェンダーと云うのは、自分の性別が戸籍上の性別と異なると感じている人を指す言葉だそうです。生物学的に男(女)なのに、自分は女(男)だと言い張れば、女(男)として認めようという優しい考え方です。究極の我儘としか思えませんが、多様性を尊重する社会では当然認めるべきだと多くの有識者は主張されます。

近年はLGBT(レズ、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとったものだそうです)と称する性倒錯者に対して暖かい理解を示すのがリベラル系知識人の通念となっています。かつて“日陰者“だった人たちが、テレビなどでスター然として派手に振る舞うのが日常となっています。

お茶の水女子大学は、「国家の品格」と云う大ベストセラーの著者で、著名な数学者でもある藤原正彦氏が教鞭をとっておられた大学です。勝手な想像ですが、同教授は今回の決定にさぞや慨嘆されているのではないでしょうか。同教授も主張されるように、教育には生徒に阿るばかりでなく、「ならぬことはならぬ」と強く指導することが必要ではないでしょうか。

同教授の母君の藤原ていさんは、これもベストセラーの「流れる星は生きている」を書かれています。満州で平和な暮らしを営んでいた一家五人の生活が終戦直前に侵入してきたソ連軍によって一変します。夫は逮捕され、五歳、三歳の男子と生後二か月の女児を抱えた若い母親が、一年余りをかけて朝鮮半島経由信州の故郷まで奇跡の生還をする実体験に基づく小説です。碌に歩くこともかなわない幼児を三人も抱えて急峻な朝鮮の山を繰り返し乗り越え、幾度となく急流の逆巻く川を渡り抜く壮絶な逃避行です。

所持金が無くなって行く中で、最低限の食物を確保するための知恵と工夫も求められました。優しい母性と厳しく逞しい父性の両者を使い分けつつ、精根尽き果てながら遂に帰還を果たします。ていさんは諏訪高等女学校の御卒業だそうですが、“男女共同参画社会” などと云う概念の影も形もなかった戦前の女子教育で、いざとなれば男顔負けの仕事をやってのける女性が育ったのです。「女は女」だと教える教育が大事ではないでしょうか。